2022/07/12
こんにちは!
ギャッベアートギャラリーです(^^)
さて、先週は「ギャッベって何?」ということをお話ししました。
(詳しくは7/5にアップされたブログをご覧くださいm(_ _”m))
今週は「カシュガイ族」について書いていきます。
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ギャッベを織る「カシュガイ族」が暮らすのは、イラン南西部にあるファールス州である。トルコからイランのペルシャ湾沿いに連なるザクロス山脈の山岳地帯で羊とともに遊牧生活を営んでいる。ジャラメシール(低地)という冬の宿営地から標高二千メートルを越えるサラハット(高冷地)にある夏のキャンプ地まで約三百キロメートルを三週間かけて歩く。
カシュガイ族は単一民族ではなく、カシュクリ族、シシブルキ族、ダルシェリ族、アマレ族、フェルシマダン族の五部族で構成されている。カシュクリ族は五部族の中でも最高のギャッベの織り手である。ギャッベの中心に生命の樹を大胆に配した文様は、彼らの得意とするものである。シシブルキ族は二頭のライオンが向かい合った絵柄が特徴である。ダルシェリ族はキジなどの鳥類や馬、ライオンの絵柄を織り込んだものをよく見る。アマレ族は生命の樹や向かい合う二頭のライオンの上下に、矢じりの文様が大胆に入ったものが特徴である。フェルシマダン族は平織りのキリムでは五部族の中で最高のセンスと技をもっている。
伝統的なカシュガイ族の住まいは、ヤギの毛を手紡ぎした糸で平織りした黒テント。ポプラの柱に黒い布をかけ、ヤギの毛のロープを張って地面に固定し、横長のテントを組み上げる。
冬は、全面を黒い布で覆い、内側には色彩豊かなジャジムやキリムと呼ばれる厚手の平織りのものを張り巡らせて寒さを防いでいる。
夏は、屋根になると壁となる背面、左右を残して、一方を開放した夏用テントに変身させる。
遊牧民は、机やいすなどの家具は持たず、むき出しの地面にギャッベを敷いてその上で生活する。
イランでは人が集まれば、まずお茶(チャイ)から始まる。ともにお茶を飲むことは家族と同等の意味を持つ。それはカシュガイ族も同じで、私たちが村やキャンプ地を訪ねたときは、お茶が当然出される。そして、食事の接待がすごい。普段は質素な食事で済ませているが、遠方の客が来たときは貴重な財産であるヤギを一頭捌き、串に刺して、火で炙ったシシカバブという料理や油で長粒米を揚げるフライドライスが出ることもある。
客を招いた席には家族の女性たちは同席せず、男がするのが習慣である。テーブルを使わない彼らは手織りのソフレという食卓布を敷き、その上に料理を並べて座って食べる。今はソフレの代わりにビニールの細長い敷物を敷くこともある。
カシュガイ族の女性はよく働く。明け方、ヤギの乳を搾ることから一日はスタートする。この乳を煮て飲んだり、ヨーグルトやカシュケと呼ばれる乾燥チーズを作る。肉類は一年に数えるくらいしか食卓には出ないので、それらが重要なたんぱく源となる。食事の支度は貴重な燃料である木切れを無駄に使わないためにも、あまり調理に時間をかけない。
主食は薄いナン。小麦粉に水と塩を混ぜて薄く伸ばし、丸い鉄の鍋で焼いていく。発酵させずに焼くのでクレープのようなパンになる。一度に一週間分焼くので、焼き立てはおいしいが、日が経つとパサついて水分と一緒に摂らないと食べづらい。
カシュガイ族の男性は朝が早い。日が昇る前に起きて、羊とともに山に入る。「山」は日本のような緑の木々が茂る「山」ではない。雨のあまり降らないこの地方は岩山ばかり。草があれば羊たちはくまなく食む。
男たちの生活は常に羊とともにある。たくさんの羊たちを岩山に響く短い叫び声ひとつでコントロールする様は、家族の貴重な財産である羊を守ろうとする男たちの真髄である。
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~感想~
カシュガイ族は五部族が集まった部族の名称なんですね。
それぞれの部族でライオンの表現の仕方が違うのも新しい発見でした。ギャッベアートギャラリーにもたくさんのライオンギャッベがありますが、スマートでかっこいいライオンから個性的なライオンまでいろんな種類のライオンがいるのでぜひ見比べてみるのも楽しいかもしれません^^
暮らしについて、どんなものを食べるのかなと気になっていましたが、お客さんが来ると豪華な食事になるんですね。やはりお客さんが来るのはこちらも嬉しいし、お客さんにも楽しんでもらいたいという気持ちは日本もイランも同じなのかなと思いました。
2週にわたってギャッベやカシュガイ族についてお話ししましたがいかがでしたでしょうか。
皆様にも新しい発見があったら嬉しいです♪
ちなみに、今回私が読んだ本の最新版がこちらです!
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お店やイベント会場に置いてあるので、是非お手に取って読んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。